さて、今回はエフェクトボード2012年秋モデルの電源編だ。
前編でもったいつけた終わり方をしたが、いきなり脱線する。
構成を2005年モデルと比較してみよう。

USB Fx:E Board 12:2005.jpg
2005年モデルでは、メインループの中にフェイザー用とフランジャー用のサブループと
ワウとチューナーを入れてたので、バイパス時はラインセレクタとメインループを通すだけで出力できる。

アンプ直にこだわってバイパス時の信号経路をできるだけシンプルにしたかったからだ。

しかし、事前に次に使うエフェクトが入る状態にしておいてからメインループでオンオフするのは、
結構煩わしいものだった。
それが気になってミストーンを出したりしたこともあった。


ちなみに、6つのスイッチのうち2つはアンプのコントロール用。
構想編でみたように
Peaveyのフットスイッチは単純だったのでこういうことができた。
USB Fx:E Board 12:2012.jpg
2012
年秋モデルでは、全部オフでも2005年モデルよりパッチケーブル一つとスイッチ4つ多く通すことになるが
全部リアルタイムで操作できるメリットは大きい。


ワウの配線改造の効果もあり、特段気になるほどの音ヤセもない気がする。

チューナーはループ5のセンドにつないでいる。
リターンジャックにプラグが刺さってないときはオン時の出力がグラウンドに落ちるようにしてあるので
チューナーを使うときにはここでミュートされる。

最近はサイレントプラグを使ってるので、
ギターを交換するときは、ここでミュートしておいて直にプラグを抜き差ししている。
なのでワウの前にラインセレクタを置くようなことはせずに済んでいる。


ループにはそれぞれエフェクター一個づつしか繋いでないし、
エフェクターが全部トゥルーバイパスならわざわざスイッチボックスにしなくても…って気がしないでもない。

しかし、これくらいの数をパッチケーブルでつないでいくと劣化が気になる。
それに、ワウの例もあるし、メーカーが謳うトゥルーバイパスってあまり信用していない。
なので、それなりの効果が期待できると思う。

どちらも、基本的にアンプ直の音を大事に考えて作った。
Peavey
にしろEVHにしろ、5150を使ってる分には前にバッファをいれるメリットは感じない。
少なくとも僕が使う程度のシールドの長さでは。
いくつかバッファを試してみたことがないわけではないが、音がよくなったと感じたことはない。
だから、あえてスイッチ一個でできるパッシブのループで構成しているのだ。

・・・ 負け惜しみじゃないよ。

たぶん、エディーのループボックスも単純なパッシブのループだと思う。

下の写真はへの字の頃のループボックスだけど、右端の電源はコネクタが大仰だけど”5v dc”となっている。
わざわざそんな低い電圧でアクティブループを作らないだろうから
LEDの点灯にしか使ってないんだと思う。
コネクタの数からみると各ループの間もパッチケーブルで接続してるみたいだ。
ケーブルとプラグ・ジャックによる劣化は気にしていないようだ。


さて、ここまでは下図を作るついでに構成を眺めてみただけだ。


本論に入ろう。

下図は上の図に電源と信号の 経路をそれぞれ書き入れたものだ。USB Fx:E Board 12:2012Gnd.jpg
かなりややこしいが、
黒線が信号線の+、赤線が電源の+、−は信号線も電源も共通なので両方緑で表示している。

緑の線つまりグラウンドに注目してもらいたい。
たくさんの輪っかを形作っているのがわかってもらえるだろうか。
こういうのをグラウンドループというらしい。

この輪っかを貫く磁場が変化したり、電磁波が通ったりすると電磁誘導が起きて電流が流れる。
つまりノイズになるわけだ。


バランス伝送をするキャノン端子は機器によってグランドリフトスイッチが付いていることがある。
これは、このグラウンドループがケーブルの引き回しでできてしまって、
そこからノイズが乗るのを解消するためのものだ。


エフェクトボードなんていう小さな規模でどの程度影響があるか疑問ではあるが、
なくせるものならなくした方がいいだろう。
USB Fx:E Board 12:2012Gnd no Loop.jpg
そこで、各エフェクターと電源のグラウンドがすべてスイッチボックスに一点で繋がっているようにしてみた。
図のごとく各ループのリターン側と電源のグラウンド配線を取っ払っている。

残したグラウンドラインはそれぞれ元よりしっかり繋がってるほうがよいので、
センド側のパッチケーブルには二芯の
Belden 8412を使ってグラウンドも芯線を通るようにした。
リターンは、シールドされてないのは具合がわるいのでスイッチボックス側のみシールド線を配線し、
エフェクトのアウトに刺さる方はグラウンドを配線せずそこで輪っかを断ち切るようにした。

電源線の方は、電源ボックスのほうでエフェクターにいく端子はグラウンドを繋がないようにしてある。
電源ボックスとスイッチボックスはきっちり繋がっておかなければならないので、
昔洗濯機かなにかを買ったときについてきたアース配線用の太い電線を使って両者をつなげた。
下の写真の緑色のヤツ。


今回のボード用に作った電源だ。
シャーシの加工には制作編で紹介した工具が大活躍してくれた。
特に
DCジャック用の四角い穴あけにはハンドニブラのありがたみが身にしみるようだ った。
出力のグラウンドを繋いでない事以外は、基本的には下写真の2009年に作った六弦さん用電源と同じものだ。
24vDCアダプターからの供給を三端子レギュレーターで18v9vにしているだけ。


こないだ、六弦さんのボードを久しぶりにみるとフランジャーを9vにつないで、
フェイザーが
18vにつながっていた。
うん、こだわってない!! だって、 
六弦さん・・・・。


完成した2012年秋モデルだ。

とりあえず版で電源が乗っかってたワウの上側部分にはこれを、
アンプのフットスイッチの下にはこれを付けてみた。
レンチホルダーとピックホルダーにマジックテープを貼り付けたものだ。
結構忘れやすくて、また、ないと困るんだよね。



ほうぼうへ脱線したが、ちょっとグラウンド配線を工夫してみた電源編でした。

で、グラウンド配線の効果だが・・・、
よくわからない・・・。
もうちょっとブ〜〜〜ンってのが減るかと思ってたんだけど、あんまり変わらないみたいだ。
ま、悪くなった気はしないので良しとしよう。
いつもながら、回りくどいくせにゆるい感じで申し訳ない。

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