最近KIZZのSpacemanさんがネーム入りのピックを作ったらしい。
HPでそんな書き込みを見た時は”ふ〜〜ん”って感じだった。
先日のOziFest the 9thでのことである。
”見に来てくれた知り合いが演奏をほめてくれたのでピックをプレゼントしたら喜んでくれたよ。”と、Spacemanさん。
ちなみに僕の演奏も見てくれたらしく、”よかったって言ってたよ。”とのこと。
ちょっとうれしい。
“じゃあ、ぼくのピックもプレゼントしといて下さいよ” とピックを渡す。
”あれ、名前も入ってないふつうのピックじゃん。”
•••••••••••••••••• 、
ちょっとクヤしい。
ネットで探せば結構作ってくれるところがあるらしい。
そしてべらぼうに高いわけでもないらしい。
ちょっと探してみようかという気をおこすが、コストや図柄はともかくとして、ピック自体が気に入ったものがあるだろうか?
ちょっとここで、これまで使ってきたピックを振り返ってみよう。
高校時代は、いろんなのを一枚ずつ買って試してはみたけれど、
別にどれも同じような感じに思えて違いのわからない男だった。
ハードからヘビーを使ってたので、ほとんどしならないしどれを使っても大して変わらないと思って結局値段で選んでた。
これを使おうと一種類にしぼってみたのは大学に入ってしばらくした頃だっただろうか。
たぶん、Moonのミディアムが初めてだったと思う。先の方から素直にしなってくれる感じが気に入っていた。
素材はよくわからないが普通のセルロイドだと思う。
昔、Van Halenモデルと称したピックがあったが、それも同じ感じだった。あれ、買い占めとけばよかったな・・・。
使い切った頃に買いに行くともう手に入らなくなっていてやむなく
OvationやSchecterなどを使い継いできた。しかし、感じが大きく変わるものではなかった。
KanKohenを始めたころにピックを探すとなんだかこの感じのピックがめっきり減っていた。
先の尖った形がちょっといやだったけどYAMAHAにすることにした。
最初は.030を使ってたがそのうち.025をよく使うようになった。
尖った形もすぐに慣れたし、すぐに削れてヤスリで整形しながらなので関係ない。
結構気に入って使っていた。しかし、これも数年前に製造中止になってしまった。
この頃にはほんとにこの感じのピックがなくなっていて、この後はしばらくジプシー状態だった。
近頃のピックは先が硬いというか、薄いピックでも先端付近はほとんどしならずに中程から曲がる感じがする。
それがどうも好きになれない。
そして気付けば近頃のピックはすごくすり減りにくい。
セルロイド製を謳っているピックでも最近のは減りにくいし同じような曲がり方をする。
たぶん、摩耗しにくくするために粘りをつけるような成分を入れているんじゃないかな。
減りにくくなるのは結構なのだが、しなり方が犠牲になっているのなら僕としてはもっと減ってくれていい。
今となっては、あの潔いすり減り方が懐かしいとも思える。スクラッチするとほんとに削ってるような気がしたもんだ。
YAMAHAの.025なんか新品でも一曲弾いただけで先が割れたりもした。
それもどうかと思うが、減ったところ、割れたところをヤスリで形を整えて結構長く使えた。
それはそれで情緒というものではなかったかと思える。
あの削れやすいピック、どこかで復刻してくれないかなあ。
YAMAHAはそういうところにこだわってあのピックを残してたんだと思ってたのにな。
硬さもハードとミディアム二種類になっちゃったし、不景気のせいで不採算部門を抱える余裕がなくなったのだろうか?
.025なんて中途半端な柔らかさが気に入ってしまったので選択肢がさらに狭まってしまい、
あれやこれやと試してとりあえず行き着いたのがJim DunlopのGator .71mmだった。
これは減りにくいが先のしなりがややいい気がする。
ナイロンに近い感じで素材が弦に対して滑りやすいので違和感が少ないのだろうか。
音でピックを選ぶ人ではないのだが、Gatorはちょっと丸い音になる気がする。
あまり好ましい感じではなかったがそれは許せた。
しかし、なじめないのはスクラッチの音。
YAMAHAなんか弦がこすれるっていうよりピックが削れる音じゃないかってほど
潔く削れて気持ちよいスクラッチの音を出してくれたが、
Gatorは弦と妙に仲が良いというか滑りがよくて、ギャーーって感じでいかない。
弾き心地は悪くなかったが、これが気に入ったから他のはいいやって気持ちにはなれなかった。
色が紫ってのもちょっとあるのかも?
それでも2年ほど付き合ったろうか。
近頃仲良くしているのはClaytonのウルテム .56mm。
しなり方がいい気がするんだけど、よくわからなくなってきた。
違和感は少ない気がする。
Jim Dunlopのウルテムよりなんだか好き。
全然削れないけどスクラッチの音も気持ちよい。
削れやすさの情緒は味わえないがそれを短所と言うのもかわいそうだろう。
.56mmはYAMAHAの.025よりさらに柔らかくなった。
年を重ねるごとに柔らかくなるのだろうか。
EVHから出てるエディーが使ってる(とされる)ピックはちょっと柔らかすぎるけど、
五十を過ぎる頃にはちょうどよくなってるのかも。
そういえば、六弦さんのは僕のより柔らかい。
だが、最年長NKJ氏は一番硬い。
と、かなり長い寄り道だったが、Claytonに行き着くにはそれなりに紆余曲折があったということだ。
模様を入れるためにまた変えるのか? … う〜ん。
一応ネットで探してみるとウルテムで作ってくれるところもあるようだ。
厚さも結構細かく設定しているところがある。
試してみようか??と思いながら読み進めていくと、ウルテムの素材説明欄に ’熱に強い’ とある。
それって、ユーザーに必要な情報なのかな?と最初は思ったが、ある事を思いついた。
Press-n-Peelを使って自作できないか??
Press-n-Peelは自作派でない人はご存知ないと思うが、
シートの上にレーザープリンターでパターンを印刷して、
それをアイロンで基板に転写するというものだ。
それをエッチングするとプリント基板が出来上がる。
図柄を作ってみた。
転写してみた。
できた。
基板でやるのと同じくらいの温度(うちのアイロンでは化繊と毛の間くらい)でやってみたが、
もうちょっと低い温度でもよさそうだ。アイロンを当てた時ちょっと柔らかくなったけどほぼ問題ない。
セルロイドも一応試してみたらテロテロになって変な匂いがした。やはり、ウルテムは熱に強いらしい。
原理的にはレーザープリントしたのと同じ事なので少々爪でこすったくらいじゃとれない。これで十分だ。
Spacemanさんのは文字だけだったけど、こいつはロゴ入りだ。
ちょっと、うれしい!
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