OziFest007がすんでしばらくして飲み会があった。オフ会っていうのだろうか?”ストラト日記 ただいま鋭意努力中”というブログのご主人を囲む会だ。実はこのご主人、学生時代の先輩なのだ。かなり上の先輩でちょっとおそれおおいが、ブログ上の流れで兄貴と呼ばせてもらっている。
で、このオフ会、音出しもありとのことではりきってギターも持って行った。テーマはレイボーンらしい。(弾いたことないんですけど・・・)兄貴の機材のサウンドチェックも兼ねているらしい。ブログをのぞいていただければすぐわかると思うが、兄貴の機材コレクションは半端でない。Tube Screamerなど、TS-808、TS-9はすべてのオペアンプのバリエーションが そろっている。そこで、これまたおそれおおいが、以前作ったTube Screamerのコピーを持って行って試してもらった。tonepadのEl Gritonがベースのヤツだ。そして、”うん、結構近い感じだね、僕にも一個作ってよ“と言ってもらった。またまた、おそれおおいことである。
ということで、Tube Screamerを作ってみたので兄貴への報告も兼ねてレポしてみたい。テーマはしーなな工房風、SRV
tributeモデルだ。
レイボーンはどうやら、TS-808風に改造したTS-9を使っていたらしい。TS-808とTS-9は、回路図上では最後のバッファの出口のところの抵抗値が違うだけだ。まっとうな自作派はとりあえず作ってみて音の違いを試すところだろうが、そんなので音はかわんないんじゃない?とあまり深く考えずTS-808の数値を使うことにした。
レイボーンはTube Screamerを2個つないでいたらしい。経由するパッチケーブルは少ない方がいいに決まっている。2個のTube Screamerが一つになっていたらきっといいに違いない。てことで二つ入れてみた。もちろんtrue
bypassだ。大胆に電子スイッチ部分は取っ払ってしまうのに出口の抵抗二つの違いなど大したことがないに違いない。・・・きっと。
まずは、基板。一号機の頃は手書きでエッチングしていたが、Press-n-Peelというアイロンで転写するヤツを使うようになってパターンはきれいになった。見比べると歴然だ。調子に乗って文字なんかも入れている。細かいパターンを描けるのはいいけどちょっと接近しすぎのところもできちゃって半田でショートさせてしまうことが増えてしまった。溶かすところが多いとエッチングがめんどくさいのと、広いパターンの方が音がよく通るに違いない、という安易な発想でなるべくパターンを広くとって間隔を狭くしているせいもあるのだろう。パターン同士で隠れコンデンサー効果が生まれたり、ホントはよくないのかもしれないが、これまた深く考えないようにしている。


歪み系の回路図を見ていると、どうもOver driveと呼ばれるものはクリッピングダイオードがオペアンプの負帰還の中に入っているものが多いように思われる。Tube Screamer の他BossのOD-1、SD-1やMarshallのBluesbreakerなどはそうなっている。それに対し、Distortionと呼ばれるものは増幅段のあとグラウンドとの間にクリッピングダイオードが入っているものが多いようだ。MXRのdistortion plusやBossのDS-1、Marshall Guvnorなどがそうだ。BossのHM-2には両方ついてる。さすが、Heavy
Metalだ。(意味不明)で、Tube Screamerのクリッピングダイオードだが、tonepadではダイオード三個を使って、図のように一個の向きと二個の向きができるようになっている。波形の上下で非対称にクリップするようになるのだろう。こうすることで偶数次歪みが増えて真空管の歪みに近くなると書いてあるのを見たことがあるが、よくわからない。OD-1は三個使うパターンだ。Tube
Screamerは二個が本当らしい。tonepadも”対称にしたかったら一個外すように”となっている。オフ会に持って行った1号機は三個にしている。当然レイボーンのヤツは二個だろう。これは、切り替えられるようにしたら面白いのでは?と思ってやってみた。一つ作った段階で試してみると正直違いがよくわからなかった。なのでもう一つはあっさり二個仕様にしてしまった。兄貴、赤矢印のジャンパーを外すと三個仕様の非対称歪みになります。試してみてやってください。
一号機のケースだとスイッチが丁度仕切りになってホルダーがなくても電池が収まってくれる。ケースに穴をあけてから気付いたがこいつはそういうわけにはいかなさそうだ。ACアダプターだけの仕様にしようかとも思ったけど、歪み系はやっぱり電池も入らないといけないでしょう。苦肉の策ではあるがアルミの板を曲げてスイッチの間で固定するバネみたいなのを 作った。いいアイデアだと思ったんだけど、金切りばさみでやったらあまり上手に切れなかった。兄貴、手作り感満載ということで、許してください。

オペアンプは新日本無線のJRC4558Dを使ってみた。いわゆる艶なしのリイシュー版というヤツなのだろうか?二つとも4558Dのつもりだったが、後で写真をみると一個4558DDになってた。兄貴、4558Dのローノイズタイプらしいです。僕には音の違いはわかりません。わかったら教えてください。ソケットにしてあるのでよかったら差し替えも試してみてください。

で、完成したのがこちら。コントロールの字体を右側はTS-808で、左はTS-9風の字体にしてみた。けど、中身はどっちも808です。SCREAMERのMをちゃんと小文字のmを大きくした字体に変えておきました。
どこが、SRV
tributeなのかと問われると・・・二個入ってる他はなにもありません。ダイオード3個切り替えも全く関係ありません。深く考えないのが”しーなな工房風”です。
兄貴、粗末なものですみませんが、緑色の仲間に加えてやってください。
|